世の中

教育などについて考えたことを書きます

ベンチを使った朝の会について その2  ベンチに座らない子をどうするか

前回の記事でも書いたが、ベンチを使い始めたのは昨年度の2学期からだ。夏休みの間に近くのホームセンターでベンチを購入し、組み立て、2学期に臨んだ。ベンチを導入したのは当然、イエナプランや岩瀬直樹先生の実践から影響を受けたからだ。 しかし、当然な…

ベンチを使った朝の会について その1

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 3学期の途中から、ベンチを使っての朝の会を始めた。ベンチを使っての朝の会は、昨年度の2学期から始めていたが、今年度はコロナの影響もあって、ずっとできない状態が続いていた。厳密に言うと絶…

【読了】赤木和重『子育てのノロイをほぐしましょう 発達障害の子どもに学ぶ』

子育てのノロイをほぐしましょう 発達障害の子どもに学ぶ 作者:赤木和重 発売日: 2021/02/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 赤木和重先生にご献本いただいた本を読み終える。物腰の柔らかい文体の向こうにラジカルな思想が見え隠れする、正に赤木先生を…

環境調整と一斉授業

特別支援の方法に環境調整というのがある。支援対象の子を直接どうこうというのではなく、周りの環境を調整して、その子が過ごしやすくするということだ。例えばよくあるのは、黒板周りの掲示物を少なくしたり、なくしたりすることなんかがある。まあ、特別…

『アルマジロ』

『アルマジロ』を見た。 アルマジロ アフガン戦争最前線基地 [DVD] 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2013/07/05 メディア: DVD この商品を含むブログ (2件) を見る アフガニスタンの最前線、アルマジロ基地に派兵されたデンマークの若い兵士たちに7ヶ月密…

テレビに出ている人をけなすこと

姪っ子甥っ子たちが帰って、ようやく静かな年始を堪能している。しかしいったい、いつから正月はこんなにもうるさいものになってしまったんだろう。辛いのは子どもの声ではない、テレビから流れてくる音だ。お笑い芸人の叫び声や、歌手の馬鹿でかい歌声など…

授業で積み重ねられる失敗体験

この前の出来事。とあるクラスの算数の授業で。 ある子が自分の解き方を発表したいと言ってきた。その子はもともと人と関係を上手く結べない傾向があって、自分の意見を挙手して発表すること自体稀だったので、僕は驚きつつも、言ってごらんと勇気づけの言葉…

クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門 読了

『クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門』読了。読んでいて途中から、これはホントに変わった本だなと思い始めた。何が変わってるって、半分ぐらいが『学び合い』をいかに周囲の人に理解してもらうか、ということに割かれているところだ。『学び合い』…

SSTは意味がない

SSTは意味がない、という話。 昨日、5年生が体育でマラソンをしているので、外に出てみると、ちょうど自分が担当している男子が走っているところだった。せっかくだから勇気づけるためにも、伴走することに。たった3周ではあるものの、2人で仲良く走ることが…

疎外

昨日は校内で研究授業が行われた。6年生の国語で、単元は『やまなし』。『やまなし』は大好きだし、その先生の授業は考えてみればほとんど見たことがないので、足を運ぶことにしたのだけど、予想以上の授業内容で、驚かされた。主発問は、“宮沢賢治はなぜ「…

取り出し授業

支援対象の児童の中には、教室での授業についていけないという理由で、特定の科目で取り出し授業が行われる子がいる。 自分もそういった子たちに対して少人数制指導を行ったりしているが、しかし、同時になぜこの子たちはみんなとは違う場所で授業を受けなけ…

子どもたちの状態に対しての解釈の違い

先日の出来事。 とあるクラスの前を通ったら、担任の先生がいない中、何やら子どもたちが席を班の形にして、プリント学習に取り組んでいる。中には立ち歩いて、他の席の子に話しかけている子もいたりしたのだけど、その雰囲気が何かとても良い感じだったので…

『せんせいのつくり方』を読んで

せんせいのつくり方 “これでいいのかな"と考えはじめた“わたし"へ 作者: 岩瀬直樹,寺中祥吾,プロジェクトアドベンチャージャパン(PAJ) 出版社/メーカー: 旬報社 発売日: 2014/09/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 10…

電子オルガンの音色

この前の出来事。 休み時間に支援教室に入ったら、教室中に凄まじいばかりの重低音がこだましている。え、何の音?って思って教室の中を見回すと、ひとりの、ふだんは音楽とは関係なさそうな男子が電子オルガンの前で鍵盤を押さえていた。 え、電子オルガン…

わからないということ

先週の土曜日は八尾にある「学び合いスクール」で行われた第3回大阪PACEに、同じ学校に勤める先生の紹介で参加することができた。 会の冒頭そのことを「同じ学校の先生を誘うという壁を最初から突破してすごい」と指摘され、うーむなるほど確かに!と思う。 …

運動会の練習にて

運動会に向けての練習が本格的に始まっている。そのせいで時間割が変則的になってしまい、自分自身毎日かなり立て込んだ状態が続いてしまっているけど、一方でふだんは見られない子どもたちの姿が見られるところもあって面白い。そしてその姿とは、「集団の…

子どもたちに解決させること

先週の出来事。あるクラスで給食を食べることになって、子どもたちが配膳している姿を眺めていると、ふたりの男子が目の前で何やらもめ始めた。訊くと、どうもストローをどちらが配るのかでもめているらしい。(そんなのふたりで半分こして配れば良いじゃな…

突然の雨

今日の3時間目の終わり、理科の授業で使う花を学習園に取りに行くことになって、子どもたちと一緒に外に出ようとしたら、いつの間にか強い雨が降っていて、「あれぇ!」と驚くことに。どうしたものかと校舎の出口から運動場を眺めていたら、先に行った子ども…

ホワイトボードと怖い話

今日は1・3・6年生の登校日。 昨日に引き続き、ホワイトボード片手に色んな教室に入ってあれこれ夏休みのことを訊ねたり、平仮名の練習をしてみたり。 やっぱりホワイトボードを持っていると、子どもたちの反応が良い。話の過程が見えるから、話題に入ってき…

宿泊活動での子どもたちの姿

二十数年ぶりに出かけた自然学舎。まさかこの歳になって再び出かけることになるだなんて、奇妙な人生。三日間べったりと、いつもと違う環境のなか子どもたちに付き添って過ごしてみると、ふだんは気付かないようなところが沢山見えて、とても面白かった。 い…

美しいものを躊躇せずに堪能する勇気について

ふだんあまり歌詞をまともに聴かない自分のような人間であっても、少しぐらいは心に残る歌詞というのが存在する。 自分にとってそのひとつが、スッパマイクロパンチョップの「シェイク」だ。 というより、この曲が収められたアルバム『カエルに会えてよかっ…

人生はアドベンチャーであるということ

ある人がこんなエピソードを話してくれた。 このあいだのこと、Amazonで本を買ったその人は、受け取りをコンビニにしたのだけど、受け取り番号を忘れたとかで、結局コンビニと家との間を2往復にすることになったのだと。 普通はイライラしてしまいがちなシチ…

加藤吉樹さんのライブに行ってきた

加藤吉樹さんのライブに行ってきた。 加藤吉樹さんに出会ったのは、iPhotoの情報を信用するならば、2005年のことになる。 とんでもなく昔のことで、半ば信用できないところもあるのだけど、たぶんパソコンの言うことなのだから正しいのだろう。 出会ったきっ…

レコード水越 presents『でたらめ音楽教室課外授業・第1回』に出席する

12月11日に三鷹おんがくのじかんで行われた、スッパマイクロパンチョップによる手作り移動レコード店レコード水越 による音楽教室『でたらめ音楽教室課外授業・第1回』に出席した。 このイベント、簡単に説明すると、スッパマイクロパンチョップによるDJを…

ブルックリンの音楽家、Maxoについて

Childisc出身の音楽家、スッパマイクロパンチョップがTwitter上で開始したアカウント「でたらめ音楽教室」(@recomizu)では連日、彼がSoundcloudで見つけた面白音楽についての紹介が行われているが、特にその中でも面白かったのがこのMaxoという人だ。自分…

ACTシネマヴェリテとACTシネマテークのチラシ

部屋を整理していたら、いまはなき大阪の映画館、ACTシネマヴェリテとACTシネマテークのチラシが出てきたので、史料として載せておきます。手書きが本当に味わい深い。 ACTシネマヴェリテ「怪奇幻想の玉手箱」 上映作品は『恐怖奇形人間』『マタンゴ』『血を…

アキツユコの作品について

前にも書いたけど、自分とChildiscとの出会いは最初から最高のものであったわけではなかった。当時の自分にとってレーベルオーナーの竹村延和は未だ洗練されたクラブサウンドというイメージが強く、Childiscのようなアマチュアリズム溢れる音楽との落差は非…

都会は狂っている

大阪の実家の最寄り駅近くに洋食店があって、母親に初めて連れられて以来、その場所がとても気に入っている。ふだん、外食する習慣があまりなく、これといって好きな飲食店もない自分の性質からすると、これはとても珍しいことだ(とは言え、まだ2度しか行っ…

竹村延和『こどもと魔法』

以前にも書いたが、竹村延和が2nd『こどもと魔法』で見せた変化というのは、当時の自分にとってほとんど理解できないものだった。自分にとって竹村延和とは、やはり洗練されたクラブサウンドというイメージがとても強く、『こどもと魔法』についてもその路線…

音楽を聴くということ(壊れかけたハードディスクから学んだこと)

以前、音楽データの入ったハードディスクが壊れかけたことがある。最終的には一部のデータを除いて救出することができたが、20年近くかけて集めてきた音楽データの全てがある日いきなり聴けなくなり、消えたかもしれないというような可能性に向き合うのはか…